富山で働く職人たち -明野 さやか

明野 さやか

新たな需要・
海外にも挑戦

表具師

明野 さやかさん

明野静観堂勤務(射水市堀岡明神新32-5)

表彰:
第28回富山県表装展 知事賞

過去の職人技が語りかけてくる

幼い頃から三代目の祖父、四代目の母の仕事ぶりを見て育ちました。大学で教員免許を取ったので、卒業後は講師をしながら家業を手伝っていました。本業にしたのは結婚・出産を経験した30代になってから。自宅で子育てしながら続けられる仕事だと思ったからです。

表具師の仕事はいろいろありますが、古くなった掛軸や屏風を修復したり、大切な絵や書を表装したり…。ふすまや障子の張り替えもします。
修復作業で古い屏風の紙を剥いだら、昔の帳面や薬袋で丁寧に下張りされている部分が出てくることがあります。タイムカプセルを開けたような気分になったり、昔の職人さんの仕事に感心させられたりします。

良い表具はお客様との対話から

表装するのは絵や書ばかりではありません。あるお客様から「息子が着ていた部活のユニホームと写真を一緒に入れてほしい」という要望を受け、額装を手掛けたことがあります。ほかにも古くなった着物やパッチワーク、子どもの絵など対象になる品は様々。お客様が「大切にして飾っておきたい」と思ったものはすべてが私たち表具師の仕事になります。

どこに飾るのか、どんなふうに飾るのかなど、イメージを膨らませながらお客様と話し合う時間が好きです。アイディアを提案して、喜んでいただけた時はやりがいを感じますね。

新しい市場にも対応していきたい

師匠は母です。素材を決める時などは意見を出し合います。ずっと一緒にいるので「言わんことなしの言われんことなし」。母にとっては生意気な弟子かもしれませんが、真剣に話し合うことで、お互いが納得のいく品に仕上げられていると思います。

近年は、茶室や床の間のある純和風家屋が減り、表具の需要も減少傾向。厳しい業界であることは確かですが、一方で、若者からの新しい需要や国際的なマーケットも期待できる分野です。これからは海外にも目を向け、チャレンジしていきたいと思っています。

この道をめざす皆さんへ

直し終えた掛軸などをお客様に渡すと「これで何十年後も大丈夫。子や孫に残せる」と喜ばれ、やりがいを感じます。女性でも年齢関係なくできる仕事。茶道や華道の経験があれば、その知識も活かせます。ふすまや障子の仕事は、日本の技術を伝える職人仕事の中では、比較的経験の浅いうちから即戦力になれる分野だと思います。

明野 さやかさんの魅力

昔から絵を描いたり、版画を作ったりするのが好きな子でした。
じっくり時間をかけ、古い紙を慎重に剥がしていく作業などを見ると「この仕事に向いている」と思いますね。母娘なので遠慮なく何でも言い合える師弟関係。最近はパソコンを使いこなし、積極的に研修会に出かけていく姿に頼もしさも感じています。

明野静観堂 明野睦子さん

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