富山で働く職人たち -釈永 聡

釈永 聡

伝統も進化も
大切にしていく

瓦葺き工

釈永 聡さん

釈永瓦工務店代表(中新川郡立山町上末97)

資格:
瓦葺1級技能士、瓦屋根工事技士、社団法人全日本瓦工事事業連盟 瓦屋根診断技士、職業訓練指導員
表彰:
すぐれた技能士表彰、富山県技能士連合会会長表彰

ひたむきな父を追いかけた

立山町の上末一帯は粘土質の土が採れる地で、昔から瓦の産地。うちも祖父の代から瓦屋を営んできました。昭和50年頃までは工場に大きなトンネル窯があり、毎日、瓦を焼いていました。子どもの頃、そこで遊んだり、手伝ったりしていたのが懐かしい思い出です。
私は高校卒業と同時に父のもとで働き始めました。一人前になる前に父が亡くなってしまい、後は独学で頑張ってきましたが、今でも困難に直面した時は「こんな時、親父だったらどうするんだろう」と考え、冷静な判断をするよう心掛けています。

黒瓦の美しさを伝えていく

瓦葺きの技術で大事なのは、雨の流れを読み、確実に止めること。屋根の形に応じて現場で切断したり加工したりすることが多いので、瓦の素材や特性、種類を熟知していないとスムーズな施工はできません。
ご存じない方もいますが、真っ黒の日本瓦を使うのは富山と石川だけ。北陸の気候風土に合った機能的な瓦なのです。最近はグレーや茶色なども増えていますが、私はやっぱり黒瓦が好きですね。天気のいい日、黒瓦が太陽光を浴びて輝く風景は本当に美しいと思います。富山で働く瓦職人として、これからも黒瓦の良さをアピールし、しっかりと継承していきたいと思います。

空を眺めるのが日課

屋根に上るという仕事柄、雲行きや風の変化には敏感ですね。「夕立が近いぞ」とか「午後から晴れそうだな」とか…。休日でも空を見上げていることが多く、いつの間にか空と屋根を撮影するのが趣味になりました。先日も京都に出かけてお寺の鬼瓦を撮影してきました。撮った写真は時々整理してブログにアップしています。
最近は住宅の洋風化にあわせて斬新な色やデザインの瓦が開発され、新しい施工法も出てきています。私の考えとしては、伝統技術の継承も大事だけど、時代の流れに柔軟に対応していくことも大事。伝統と進化、両方の良いところを大切にしながら、これからもお客様に満足してもらえる仕事をしていきたいと思っています。

この道をめざす皆さんへ

住宅の屋根が現場なので、人の暮らしに密接に関わる仕事。いろんな人との出会いも楽しいですね。瓦葺き工事は経験ゼロでも始められます。先輩たちが手取り足取り教えてくれますから、興味がある人は遠慮なく飛び込んでみてください。まずは高いところに慣れることから。

釈永 聡さんの魅力

若い頃から積極的に技を磨き、平成21年には技能グランプリに富山県代表として出場、好成績を残されました。新しい機器やIT技術の導入も早く、ホームページでは瓦に関する様々な情報を発信しておられます。最近は、技能検定補佐員として試験の審査員を務めるなど、若手の指導・育成にも積極的に取り組んでおられますね。

富山県瓦技能士会 会長 新井外弘さん

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