林 龍佑
お椀の中に
四季を表現したい
調理師
林 龍佑さん
とやま自遊館勤務(富山市湊入船町9-1)
- 資格:
- 調理師免許
- 表彰:
- 富山県料理技能展示コンクール一般学生部門、「理事長賞」、技能五輪全国大会 日本料理職種 敢闘賞

料理上手な母の影響を受けた
子どもの頃から母と一緒にキッチンに立ち、料理の手伝いをするのが好きでした。中学の頃には料理の世界を目指そうと決めていました。
身内を褒めるのは恥ずかしい話ですが、母の料理は美味しかったですね。手際も良く、さっと作ってみんなに振舞うのも上手でした。高校生の頃はよく一緒に外食に出かけました。母は「料理人になるなら美味しいものを知っておかないとね」と…。高級店に行っていたわけではありませんが、いつもファーストフードばかり食べている友達に比べれば、味覚は鍛えられていたんじゃないかなと思います。
調理実習と実際の現場は違う
高校卒業後、雄峰高校専攻科に進学して調理師免許を取得。在学中から自遊館厨房でアルバイトで働き始めたので、その経験を入れると4年目になります。
学校の実習で作っていたのは大体4人分でしたが、ここでは何十人、何百人分を一度に作ります。同じメニューでも作業手順が全然違うので、現場でその都度、勉強しながら体で覚えていきました。
大勢の予約がある日は朝5時に出勤して、ずっと立ち仕事ですから体力のいる仕事ですね。でも、お客様から「今日の煮物は美味しかったよ」と褒めてもらえたりすると、この仕事に就いて良かったなと思いますね。
鰤大根をアピールしたい
今、目指しているのは美しい盛り付け。お椀の蓋を取った時の第一印象ってすごく大事だと思うんです。春夏秋冬、旬を感じさせる素材や色、切り方などを研究して、お客様の心を惹きつけるものを提供したいですね。
もうすぐ北陸新幹線が開通します。飲食業界や観光業界での「おもてなし」の気運も高まってきています。自遊館で食事を楽しむ観光客の方にも、富山の味をアピールしていきたいと思っています。個人的には「鰤大根」かな。一生懸命腕を磨いて、親方から「鰤大根なら林に任せておけ」と言われるようになりたいですね。
この道をめざす皆さんへ
飲食業界は土日がない、勤務時間が長いなど厳しいイメージがありますが、大きな組織なら従業員が多いので勤務はシフト制。休みもきちんと取れますよ。調理人を目指すなら、グルメでなくてもいいけど、素材の持ち味がわかる人であってほしい。味の濃いものばかり食べていると、繊細なダシの風味がわからなくなるから気をつけて。味覚って子どもの頃に決まってしまうそうですよ。