富山で働く職人たち -生須 美沙乃

生須 美沙乃

一針一針が
自分を成長させる

和裁士(修行中)

生須 美沙乃さん

渡辺和裁教室生徒(富山市花園町1-8-1)

就職をやめて和裁の世界に

京都の美大に進学し、染色やテキスタイルデザインを勉強するうちに、自分で染めた布で着物を作ってみたいと思うようになりました。日本の伝統文化に身近に触れられる京都で暮らした影響もあると思います。
その一方で、3年生の秋から普通に就職活動をして雑貨店のバイヤー職という内定をもらいました。でも、モノづくりの道をあきらめていいのか、このまま就職していいのかと悩み始め、結局、内定を断って帰郷。この和裁教室を知り、大学を卒業した春から通い始めました。

気持ちが運針に表れる

5年間の修業でもうすぐ3年目になります。最初の半年はひたすら運針の練習をし、その後、少しずつ実践に入ってきました。もうすぐ長襦袢を仕立てる試験があるので毎日、模擬練習をしています。前までできなかったことができるようになるのはすごく嬉しいことですね。
和裁は針と糸、布との関わりが大切。正確に採寸し、丁寧に縫い進めていくという地道な作業ですが、そこに向き合う心が揺れていては美しい着物を仕立てることができません。常に穏やかな気持ちで、一針一針に集中して作業できるよう心掛けています。

和を愛する心も磨いていく

「自分で縫いたい」という単純な動機で飛び込んだ着物の世界ですが、やってみるとすごく奥が深いですね。着物には四季の風物が描かれていますから、季節の草花や色彩を理解していないといけません。帯や襟、小物を合わせる際のバランス感覚も必要なので、普段から美しいものを見て感性を磨くことが大事ですね。私はまだ初心者なので、先生や先輩方に教わりながら学んでいます。
教室では業務提携している呉服屋さんから受注を受け、オーダーメイドの着物を仕立てています。私も何年か先にはお客様の着物を仕立てられるよう、そしていつかは自分で染めた布を使って世界にたった一つ、自分だけの着物を仕立てたいと思っています。

この道をめざす皆さんへ

最近、着物の需要が落ち込んでいることは否めません。でも和裁は日本古来の技術であり、途絶えさせてはならないものだと思います。独り立ちできれば自宅でできる仕事なので、子育てとの両立も可能だと思います。一度身についた技は消えることがありません。コツコツとモノづくりするのが好きな人には向いていると思いますよ。

生須 美沙乃さんの魅力

入門して3年目。社会人ならそろそろ仕事に慣れ、成長を実感している頃。まだ自立できていない生須さんにとって今が一番苦しい時期かもしれません。でも学んだことをしっかり自分のものにしていく姿は素晴らしく、この仕事に向いているように思います。若い担い手が減りつつある和裁業界のホープとして期待しています。

渡辺和裁教室 代表 渡邉キミ代さん

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